こんにちは!教育界のキーワード『非認知能力』についてお伝えします。
多くの保護者にとって、お子さんの学力が気になるのではないでしょうか?
そのため、お子さんを学習塾に通わせたり、早期教育に取り組んだりしているご家庭もあるでしょう。
では、学力とは何なんでしょう?
日本では、高校受験や大学受験等で、点数を取るための力と捉えている方がまだまだいるのではないでしょうか?そして、そのような勉強を続けてきた結果、勉強することが「面白くない」「つまらない」と感じる人が多くなっていくのです。
現行の学習指導要領(小学校2020年〜、中学校2021年〜)を作成する際に育成すべき資質・能力、つまり「学力」を3つの柱で整理しています。
さて、この中で、テストの点数に現れるのはどの部分でしょう?
そう、「学力」には、テストの点数に表れない部分もあるのです。
簡単に言えば、このテストの点数に表れない資質・能力のことを「非認知能力」、テストの点数に表れる資質・能力を「認知能力」と呼ぶのです。
⚪︎ 認知能力(cognitive abilities)
できるだけ早く、あるいは多く、そして正確に回答することが求められる課題をうまくこなす能力を指します。具体的には、読み書きの能力、数学の理解力、記憶力などが含まれます。
⚪︎ 非認知能力(non -cognitive abilities)
認知的なスキル以外の思考や感情や行動についての個々人がもつパターンのようなもの。
日本を始め、韓国や中国など儒教の影響が残る国々では、伝統的に『認知能力』が重視されてきました。 しかし、ノーベル経済学賞を受賞したアメリカの経済学者ジェームズ・ヘックマン教授が、人生の成功において非常に重要であると主張されているのが『非認知能力』です。
近年、彼の研究が教育や社会政策に大きな影響を与え、『非認知能力』と言う言葉を多く目にするようになってきたのです。
では、『非認知能力』とは、どのようなものなのでしょうか?その一部を紹介します。
・ 誠実性 課題にしっかり取り組む力
・ グリット 困難な目標へ挑戦する情熱と粘り強さ
・ 自己制御 目標の達成に向けて自分を律する力
・ 好奇心 新たな知識や経験を探究しようとする力
・ 批判的思考 情報を適切に読み解き活用するための思考力
・ 楽観性 将来をポジティブに見て、柔軟に対処する力
・ 共感性 他者の気持ちを慮り、理解しようとする力
・ 自尊感情 自分自身を価値ある存在だと思う感情
・ レジリエンス 逆境をしなやかに生き延びる力
どれも人がよりよく成長していくために必要な資質・能力と言えるのではないでしょうか。『非認知能力』は、いわば「生きる力」「人間力」と言えるものです。このように見ていくと、『非認知能力』が伸びれば、学び方や学ぶ力が変わるため『認知能力』も伸びていくことが想像できます。
実は、「生きる力」「人間力」を高める『非認知能力』は、集団活動で育ちやすい傾向があります。ここに学校で学ぶ意義というものがあるのではないでしょうか?
そして、『非認知能力』へのアプローチは、早いほど効果的です。点数を取るための勉強から、人間力を伸ばす学びへとシフトさせていきませんか?